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中国西安でアイケイジーとJV でブックストアーのインテリアデザイン

1階の店舗。コンセプトは、「Library and Gallery」。上層階には高級ホテル グランドハイアットがあることから、ホテルのラウンジとしての利用も考慮し高級感を醸しだした。紙が舞うような照明で照らし出された螺旋階段が2階へと誘う。

2020.7.19

JCAP7 NEWS 中国西安でアイケイジーとJV でブックストアーのインテリアデザイン YJY MAIKE CENTRE FLAGSHIP STORE

西安は、中華人民共和国(中国)の首都北京から南西に約1,000㎞の距離にある中国中央部の陝西省の省都です。人口約1,000万人の大都会で、古代より13の王朝の都として栄えた二千数百年の歴史があり、唐の時代にはシルクロードの起点の国際都市、長安の都として栄華を極めました。また、秦の始皇帝の墳墓にある兵馬俑は世界的に名が知られていますし、各王朝の歴史的建造物も多数あります。

このように西安は中国でも突出した歴史のある都市ですが、中心部から南東に約10㎞の地域は、ハイテク工業開発地域として現在脚光を浴びており、中国技術開発のリーダー的存在になっています。その中でも特に威容を誇る34階建と45階建てのツインタワー、Maike Centreの低層部に、総床面積4,450m2の大規模なYJY MAIKE CENTRE FLAGSHIP STORE が2018年12月にオープンしました。

この店のインテリアデザインには、Maike CentreのデベロッパーであったMaike Investment Holding Groupが、その象徴ともいうべき旗艦店としてブックストアーを置くことを企画し、日本の蔦屋家電のインテリアデザインに深く感銘を受けたことから、これを手掛けた日本のアイケイジーに設計を依頼してきました。アイケイジーの池貝知子社長代表取締役は、このプロジェクトにたいへん興味があったので、それまで海外案件で協働してプロジェクトマネジメントを担当してきたJPMとJVを組んで参画することとなり、2016年12月から設計作業に取り組みました。今回のYJY MAIKE CENTRE FLAGSHIP STOREは、国内外で高い評価を受け、IIDA (International Interior Design Association)Best of Asia Pacific Design Awards | 2019 Best of Competition、そして日本の第6回インテリアプラニングアワード2020原兆英賞 と矢継ぎ早に受賞の栄誉に輝きました。

1階 吹き抜け

1階の吹き抜けには、10mもの高さの本棚を配置することにより、圧倒的な量の図書を設計の主役に据えた。

カフェスペース

1階吹き抜け周りのカフェスペースで、壁には鴻崎正武氏によるシルクロードをモチーフにしたアートが配置されている。

2階は、2つの機能を有し、一つは周辺のビジネスピープルの交流・憩いの場としてのバーカウンターと、もう一つは50mも続くBook Streetを配して、全体として高級で落ち着いた雰囲気を作り出している。西安の持つ歴史的側面から、全体として「宮殿の間取り」のコンセプトも取り入れた。

キッズスペース

2階にはキッズスペースを設けて家族連れの客が長時間本を選ぶように配慮している。

多目的ホール

多目的ホールでイベントやカンフェレンスの開催ができる。

このBookstoreは、世界的なインテリアデザインの賞を獲得したこともあって、西安のハイテク地域の象徴ともいえる存在となり、度肝を抜くような高級なインテリアデザイン、そして圧倒的な書籍量も相俟って、西安市民の間で評判となり、多くの顧客を呼び寄せています。正しくFlagship Storeの面目を果たしたと言えるでしょう。

以上紹介した西安のFlagship Storeは、日本の卓越した設計能力を持つ個人や企業を世界に紹介してプロジェクトを実現させていくとき、設計力だけでなく、言葉の壁を乗り越えて客先の要求を正確に把握する、設計意図を理解してもらう、現地の法律・基準・事情等に適合させる、スケジュール管理を行う、契約や支払い面での事務作業を円滑に進めるといった作業環境を整えることが必須で、両者の協同作業が成功した一例です。これにより設計者が100%以上の力を発揮できるわけで、今後ともこういった協働作業でJPM のマーケットの拡大を図っていきたいと考えています。

言几又・迈科中心旗艦店、YJY MAIKE CENTRE FLAGSHIP STORE

床面積:
4450m2/1階 2300m2/2階2150m2
工期:
2016年12月~2018年10月
開店:
2018年12月14日
インテリアデザイン: 
株式会社 アイケイジー
同設計協力:
株式会社ア・ファクトリー
プロジェクトマネジメント:
株式会社JPM
照明デザイン:
有限会社ソラ・アソシエイツ
グラフィックデザイン:
氏デザイン株式会社
カメラマン: 
ナカサアンドパートナーズ
Link:
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