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JCAP7 建設中の中国プロジェクトの紹介
2015.8.17

JCAP7 建設中の中国プロジェクトの紹介

中国は世界の経済大国として発展を遂げており、2000年代初めの2桁台の成長からは減速したとは言え、現在でも7%近くの高いGDP成長率を維持しています。しかしながら、中国政府は「小康社会=いくらかゆとりのある社会」を樹立する目標を掲げ、先進国と比べて立ち遅れている福祉、社会保障、リゾートと言った分野の開発にも力を注いでいます。中国の急速な経済成長に伴って中国人観光客も世界各地へ旅行するようになり、この経験から中国においても高品質なリゾート施設の充実を望むようになりました。日本にも多数の観光客が訪問し、特に日本の温泉施設での静かで健康的なやすらぎは中国人旅行客にも感銘を与えています。このため中国で温泉の出る地域では、日本と同様の温泉ホテル、あるいは温浴施設の計画、設計を依頼するするオーナーが増えてきています。こういった背景から、JCAP7はこれまで数多くの温泉ホテルの計画、基本設計、設計監理、運営支援を手掛けてきましたが、今回のJCAP7 Newsでは現在建設中の温泉ホテルや教育分野の設計である延辺大学実験棟の工事の進捗を報告してJCAP7の活動の一端を紹介したいと思っております。

中国は5年毎に出す国家発展計画も13期目に入り、これまで第一位を続けてきたインフラ関連投資と同様、老人福祉、養護施設の充実にも舵を切り、国家の開発対象案件となっています。JCAP7としては、この社会福祉分野でも大きな実績があり、中国政府のこの大きな方向転換に合わせて、老人福祉の分野に力を入れて参ります。

1.西安臨潼悦椿ホテル温泉施設

中国陝西省西安市に世界的スーペリアホテル&リゾートでシンガポールのバ二ヤンツリーグループが運営する臨潼悦椿ホテル が今年秋にグランドオープンします。敷地面積は156,700㎡で、400室のメインホテル棟、政府迎賓館、ショッピング、会議棟、スパゾーンそして温泉ゾーンが配置されています。このうち温泉ゾーンは建物内外合わせて約8,600㎡で、このゾーンの設計・施工監理をJCAP7が担当しました。

この温泉ゾーンのデザインコンセプトとして、漢の瓦に代表される土と石の文化と木組みを軸とした日本の木の文化を融合した湯のリラクゼーションの生成に置きました。温泉浴槽及び温泉プール浴槽の総量は450トンを超える膨大な量で、日本の大規模温泉施設の何倍にもなります。この規模の湯量をコントロールする濾過循環設備も日本であまり例がなく、その設計、施工に大変苦心することになり、中国の技術者やホテルオペレーターに説明、納得させるのにJCAP7として大変なエネルギーを費やしました。現在建築・設備工事もほぼ完了し、外部温泉のランドスケープを大急ぎで仕上げているところで、秋の完成が待たれます。

 屋外回遊露天風呂エリア全貌 (2015年2月)

 屋外回遊露天風呂景観池施工状況 (2015年2月)

 温泉SPA棟ロビー (2015年7月)

 室内温泉プール (2015年7月)

 屋外温泉区 岩風呂① (2015年7月)

 屋外温泉区 岩風呂② (2015年7月)

 屋外温泉区 遊歩道 (2015年7月)


2.大連開成温泉ホテル

開成温泉ホテルは、中国遼寧省大連市の北100㎞に位置するリゾート地で、日本資本のホテルも多数進出している晋蘭店地区にあり、敷地面積11,500m2、延床面積13,500m2、そして庭園面積6,000m2の純和風の温泉ホテルです。オーナーの大連開成投資有限公司は、日本文化をこの温泉ホテルに導入するのに非常に熱心で、入浴方法も日本スタイルを採用するなどのこだわりを見せています。

この開成温泉ホテルは、メインとなるホテル棟24室と5つのビラ棟7室の31室よりなっています。ホテル棟は地下1階、地上4階で構成され、1 階にはロビー、宴会場、大浴室が納められ、2階から4階は客室となっています。JCAP7はこのホテルの設計業務を2010年10月に開始し、建築初歩設計を2011年、景観初歩設計を2013年、内装設計を2015年8月に完了させました。2015年以内に工事を完成させて、2016年初めにオープンの予定です。

 ホテル玄関へのアプローチ

 中庭よりホテル棟とビラ棟を望む

 横長のビラ棟の写真:ビラ棟を望む。手前の建物は池のほとりのバーラウンジ


3.大連樹源湯景沢温泉プロジェクト

大連樹源集団は中国遼寧省大連市の不動産開発や古典家具製造を主要な業務としています。このグループは、大連の東約60kmにある5A級旅行リゾート区金石灘の14.3haという広大な敷地を確保し、ここから湧き出る温泉を利用して、延べ床面積83,000m2の温泉ホテル、各戸に露天風呂付きの別荘の開発計画を企画しました。現在、鋭意建設中で、ホテルは2016年春にオープンの予定です。JCAP7は、2012年、当初の全体計画段階からこのプロジェクトに参画し、設計、建設時の設計監理も受注しました。樹源集団のオーナーは、大の日本ひいきでこれまで何度も日本各地の温泉リゾートを訪問し、その落ち着いた静けさ、癒し、おもてなしの和風温泉旅館に感銘を受け、JCAP7を通してこの湯景沢温泉でも日本式の温泉リゾート経営を実現するためマネジメントスタッフの派遣をJCAP7に要請してきています。

(1)全体計画

敷地は自然豊かな山々に囲まれた環境秀逸の地域で、温泉を利用して「温、景、諧、華、保」の5つのコンセプトを融合させ独自性、快適性、先進性を兼ね備えた温泉リゾート計画を提案しました。下にこの全体計画図を示します。

 当初全体計画

(2)湯景沢温泉ホテル計画

全体計画図の南側、山の麓に位置する面積3.7万m2の敷地に、延床面積1.2万m2の和風温泉ホテルを建設するプロジェクトです。JCAP7は、豊かな周辺の緑地と水辺の景色を取り込んだ自然と共生する延床面積12,000m2の和風温泉ホテルを提案しました。森の中の閑静なホテルでゆったりと温泉に浸りながら、自然の恵みを一杯浴びて、ゆっくりとした時間を持つことで「森羅万象」を体でそして五感で感じることのできる空間作りをコンセプトにしています。2012年に建築、景観設計を完了させ、2014年から内装設計を開始しました。現在、建築工事は概ね完了し、8月から内装工事を開始し、2016年2月頃のオープンを目指しています。

 当初全体計画の西側を第1次開発地区とし、また南側を拡大したホテル地区とすることに変更しました。

 南側よりホテル地区建設現場を望む

(3)温泉リゾート別荘計画

建築、内装、庭園に至るまで純和風に仕上げた約300戸の温泉付き別荘地で、中国では稀な各戸に温泉露天風呂を備えています。2015年から設計を開始し、6月からモデルハウスの建設を開始し、10月初旬に完成の予定です。

ホテル側より別荘区一期工事現場を望む


4.延辺大学実験訓練基地

JCAP7としてリゾート施設だけでなく、教育施設の設計にも力を入れており、吉林省延吉市の延辺大学の実験訓練基地の設計業務を2013年2月に受注しました。JCAP7は日本の実験施設計画のノウハウを注入して、高品質な設計業務を実施してきました。更に、この設計業務に当たっているJPMは、延辺大学建築設計研究院の筆頭株主でもあり、日本の先端技術を取り込んだ計画、基本設計を行った後、中国でこの設計院を活用して施工図設計を行い、一貫した責任体制の下で設計作業行っています。

本プロジェクトの遂行に当たっては延辺大学から高い期待をかけられており、設計全般で中国建築設計業界の優秀賞受賞を目指して作業を進めてきました。また、施工においても、中国建築業界の工程・品質管理の上で最高の栄誉賞である「魯班奨」を受賞すべく徹底した工程・品質管理を行っています。

完成予想鳥瞰CG

造成工事

基礎工事

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